正看を取得してから5年ほど病院勤務をしていたのですが、奨学金の返済期間が終わったのを機にスキー場の救護待機の仕事をしてみたいと思い情報誌で探しました。採用が決まり病院の退職を決めたのですが、スキー場の仕事は季節限定のため春以降は仕事がなくなってしまいます。春以降のことを考えてインターネットで看護師の仕事を調べていた時に、コンシェルジュさんを知りました。
希望した条件としては、看護師としてやったことのない仕事を経験したいというのが第一でした。当時はホスピスで働きたいという思いもあったのですが、緩和ケアやターミナルに関わるにも、施設内ではなく在宅でのケアが主になってきている流れがありました。
私はずっと病院で勤務をしてきたので、病院以外の看護師さんがどんな仕事をしているのかが全然分かりませんでした。それで、「病院以外の仕事を経験してみたい」と希望して、健診や入浴、旅行添乗のお仕事などをさせていただきました。
健診や入浴、旅行添乗などのスポットの勤務をする中で、現在勤務しているC社さんの入浴サービスと出会い、すごく自分に合っていると感じました。
それ以降はC社さんの勤務を中心に毎月20日間前後でシフトを組んでもらうようになり、今年で4年目を迎えました。勤務は基本的に月曜〜金曜日の平日のみにしています。利用者様の関係で平日に出る方がよい日が集中したので、土日は完全休みという形にして日曜日には習い事を入れています。
毎朝5時に起きて、勤務後にはスポーツクラブで2時間位汗を流して帰宅する、というリズムができています。身体を動かすことはメンタル面を整えることにすごく効果があるので、学生の時から運動を続けてきました。
土日の朝を中心にウォーキングもしているのですが、歩きながら季節の花や風景を楽しんでいます。これは、利用者様のお宅を訪問したときに、「今は○○のお花が咲いていますよ」「稲が美しい季節になりましたよ」といったように、寝たきりなどの方やなかなか外出のできないご家族への情報提供としても活かせます。
もともと緩和ケアやターミナルを志望していたにも関わらず、在宅(看護)に対して苦手意識がありました。看護実習の時に訪問したお宅で、難しそうな医療機械が並んでいてショックを受けたこともあり、私に在宅は無理かもしれないと思っていたんです。
でも、「一緒に回るスタッフさんにしっかりフォローしていただけますよ」と聞いて実際に訪問入浴の勤務をしてみて、食わず嫌いだったことを実感しました。
利用者さんには寝たきりの方が多いですが、C社さんでは処置が多い方や関わりが難しいお客様に関しては、慣れてから(訪問する)コースに入れるという配慮をして下さったので、安心して勤務ができました。初めての勤務で仕事に慣れていなかった時も、C社さんは丁寧にフォローをしてくれて、派遣と社員といった区別なくしっかり関わってくれました。それによって自分も安心して頑張ろうと思いましたし、その姿勢をC社さんも分かって応えて下さったのだと思います。
(興味を持ったきっかけは、)小さい頃から読んでいた本だと思います。私の家は祖父が医者、祖母は看護師で、母も病院でずっと勤務しています。その影響もあってか、闘病記といった本をよく読んでいました。看護師というと普通は「助ける」といったイメージだと思うのですが、私は小さい頃から「看取りの看護をしたい」、「ホスピスに就職したい」と言っていた記憶があります。
今もその時の思いは持ち続けていますが、最終的にホスピスで働くことが目的ではなく、在宅で最期を看取るという方向を考えています。これは訪問入浴のサービスを見ていて感じることなのですが、C社の職員さんはお客様との関わりが長いので、お客様だけでなくご家族の方にもすごく気を配っていらっしゃいます。介護疲れといったご家族の状況をとてもよく分かっていますので、「笑ってもらえたら気分転換になる」という思いで楽しい話を持っていくなど、すごく盛り上げ上手なんですね。そういう姿勢を見ていて、患者さんだけでなく、とりまく環境やそのご家族へのフォローもすごく大事なのだと実感しました。外に出られない状況にある方たちにとって、人と話す機会って少ないですよね。私たちのようなサービスがよい刺激になっているということを学ばせてもらいました。
時期は決めていませんが、次のステップとして病院に戻ることは考えていません。私は看護学校に通いながら病院勤務をして、正看を取得してからは病院で5年間勤務しました。その期間が十分だとは思いませんが、病院と在宅だとどうしても主体が違ってきます。すごく悩むところではありますが、恐らくそのまま訪問看護の道へ進むと思います。入浴の現場でも訪問看護の方とお会いすることがあります。その時に色々話をしてみると、お客様のことを真剣に考えて、本当に密な関わりをしていると実感します。
サービス中やサービスが終わって事業所に帰ってきた時に、気づいたことはその場で職員さんと話すようにしています。
「ここが気になったのですが、どう思いますか?」といったように、意見や提案をしやすい雰囲気を自分からも作るように心がけています。
C社さんでは、職員の皆さんが用語や薬の効用など分からないことがあればすぐに聞いてくれます。ケアに対する意識が高い方が多いですね。そのため私の方も利用者様のことで分からないことがあると相談することができます。それぞれの職員さんが経験上色々なアイテムを持っていますので、私がお客様の全身状況をみて判断して、それを考慮に入れて3名(※)でサービスの方法について意見を出し合います。その時できる精一杯のサービスをしよう!という思いで意見を出し合い、仕事に取り組んでいます。
派遣として勤務を始めたころは、現場によって一緒になる看護師さんが違うので、なかなか相談できる人がいませんでした。その経験から派遣で来ている看護師さんの気持ちが分かるので、帰りが一緒になった時などには、「今日どうでしたか?」とこちらから声をかけるようにしています。そうすると、同じ派遣の立場ということで、「誰に話してよいか分からなかった」ということも話してもらえるんですよね。
※訪問入浴では、基本的に看護師、ヘルパー、オペレーターの計3名でサービスを行います。
病院以外の仕事をしたことがなかったので、色々な仕事があるという情報を知ることができ、その中から選べるというのがよかったです。また実際に勤務をした後に、「勤務はどうでしたか?」といったフォローの連絡を下さるなどこまめに連絡を下さる
ので安心感がありました。
それから、派遣で勤務する際は、病院と違い先生がいないことや設備が限られることも多いです。最初は私も「何もない中では何もできない」と思ったこともありました。でも、呼吸が停止していれば気道を確保して、その間にご家族に連絡をとってもらうなど、基本としてやっていることは病院と変わらないんですよね。病院にいないから、設備がないから何もできないのではなく、「限られた状況の中でやれるだけのことをやる」ということを、派遣の仕事をして初めて学びました。
病院を離れて派遣で仕事をしてみて、視野がすごく広がりました。勤務先を辞めて派遣で仕事をすることは、広い海に飛び込むといったイメージかもしれませんが、私はコンシェルジュさんからのフォローやアドバイスもいただいて、決して一人ではありませんでした。やってみたい仕事がある人や、病院を辞めてどうしようと考えている人にも、「コンシェルジュさんなら相談にのってくれる」ということを伝えたいですね。