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四肢冷感を訴える患者さんへの対処法

緩和ケア病棟の患者さんが、しきりに手や足が冷えるようだけど、その場限りの対応だけで終わってしまう。何か、症状が改善される方法ってないのかな?
四肢冷感を訴える患者さんへの効果的な対処法が知りたいな

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四肢冷感の原因と症状
手足の末梢が冷たく感じられる四肢冷感には次の3パターンあります。

1. 患者さん自身が四肢冷感を自覚し、実際に手足が冷たい場合
2. 四肢冷感を訴えるものの、実際に手足は冷たくない場合
3. 実際には手足が冷たいが、患者さん自身がそれを自覚していない場合

上記1や3の場合は、循環する血液の量が少ないケースや、末梢血液の温度が低下しているケースが考えられますが、他の症状と合わせてよく観察する必要があります。
また、足先の筋肉の凝りや衰えからも、足の冷えは起きます。筋肉には体の熱を上げる機能があります。足先の筋肉の衰えによって、足が冷え、不調を感じる方も少なくありません。
また、上記の2のように実際に冷たくない場合は、血液の循環には問題なく、末梢神経麻痺や末梢神経損傷が原因として考えられるでしょう。
四肢冷感の対処法
1. 体温の維持
実際に手足が冷たい場合に症状を和らげるには、血液循環の促進が最も有効です。
血液を循環させるために、まずは体温の維持がしっかりされているかを確認しましょう。
病院はご自宅での環境に比べて、寒いと感じている患者さんも少なくありません。
可能な範囲内で寝具や衣類について見直したり、窓からの冷気や空調の風など注意したりし、体温の維持に努めましょう。
靴下や手袋だけでなく、首回りを保護することでも、全身の血液循環の促進に繋がります。

2. 手足の温め
湯たんぽやあんかを使って、足元の布団を温めることで、抹消の血液が温まり冷えが和らぎます。簡易的には、お湯を入れたペットボトルにタオルを巻く方法もあります。
また、シャワーだけでなくできるだけ入浴の機会を設けることも、四肢冷感の症状緩和に繋がります。

3. マッサージによる刺激
歩行は足の筋肉が鍛えられ血流が促進するため足の冷えに効果的ですが、歩行が困難な場合は、ふくらはぎの筋肉をマッサージすることで、滞っていた血液の循環を促進させます。また、足首をさすってリンパの流れを促進したり、足指をギューと握って離すことを繰り返したりしても、血の巡りが良くなります。
看護師が行う場合は、手を暖めて行うと心地よく感じてくれるでしょう。

4. 暖かい食事やお茶の提供
四肢冷感を訴える患者さんには、できるだけ暖かい状態の食事やお茶を提供したいものです。配膳後すぐ食べられるように事前に声掛けをすることでも、少しでも暖かい状態で食べられるでしょう。

5. 身体を暖める食べ物
足の冷えに良いとされるのは、かぼちゃや人参、玉ねぎ、セロリなどのビタミンA、ビタミンB1、ビタミンEが豊富な食材です。患者さんができるだけ優先して食べられるよう、声掛けしてみましょう。

四肢冷感を訴える患者さんへの対処は、さまざまな方向からできることがわかったわ。まずは患者さんの状況をよく観察して、何を働きかけたら効果的なのか考えてみるわ。

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