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不安を抱えている患者さんへの対応のポイント

私の担当している患者さんが「手術が失敗したらどうしよう」「検査が怖い」って不安になっているみたいです。
この間は夜勤のときに「心細いからそばにいてほしい」って言っていました。
できれば不安を和らげてあげたいけれど、どんな対応を心がければいいのでしょうか?

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不安を抱えている患者さんにはどう対応すればいい?
入院した際や手術・検査の前など、患者さんは不安な気持ちでいっぱいです。また、患者さんは入院中のちょっとした体調の変化によって、不安を抱えてしまうことも少なくありません。
このような不安を抱えている患者さんには、どう対応すべきなのでしょうか。

治療や検査の内容を明確に伝える
患者さんからすれば、「これからどんな治療・検査をするのかわからない」という状態では不安を感じやすくなります。治療に対する不安を取り除くには、「これから行うこと」「手術・検査の日程や手順」「痛みなどへの対処法」といった情報をわかりやすく説明するのが効果的です。
患者さん自身が治療内容や困ったときの対処法を理解できれば、不安が和らぐでしょう。

患者さんとの信頼関係を構築する
不安になっている患者さんは、看護師の態度・言葉に敏感に反応します。忙しいからといって患者さんへの対応をおざなりにするのは避けましょう。忙しい中でもていねいに接することで、患者さんの信頼を獲得し、良好な関係を築くことができます。

タッチングをする
タッチングは、不安を取り除く方法として看護現場でも取り入れられている手法です。
例えば、不安なときに手を握られて気持ちが楽になった経験がある方も多いでしょう。これを応用したものがタッチングです。患者さんに優しく触れることで不安や痛みを和らげるとともに、安心感や信頼関係を築く効果も得られます。
患者さんの不安を取り除くタッチングの効果・ポイント
タッチングでは患者さんに対し、手を当てたりさすったりするほか、揉む・圧迫するなどの方法でコミュニケーションを取ります。皮膚がこれらの刺激を受けると、脳で「オキシトシン」という神経伝達物質が分泌されてストレス・不安感などを緩和してくれるのです。

また、タッチングは痛みの緩和にも効果があります。体をさすったり押さえたりすると、「Aβ線維」という太い神経線維が刺激されます。すると脳は“触られる心地よさ”を優先して感じやすくなるため、痛みが和らぐのです。これは「ゲートコントロール理論」として科学的にも証明されています。

タッチングのポイント
不安を取り除きたいときのタッチングケアとしては、衣服または肌の上からやさしく手を当てたり、さすったりするとよいでしょう。痛みや違和感のある部位には圧迫する、揉むなどの方法もあります。
患者さんが不快にならないような力加減、速さで行うのがポイントです。
いずれの場合も、患者さんの同意を得てからタッチングを行いましょう。

タッチングをする際は、患者さんとの信頼関係が築けているかも重要です。看護師に対し良くない感情を持っていたり、触られたくないという思いがあったりすると、タッチングをすることでかえって不快な思いをさせてしまいます。

不安を取り除くには、まず患者さんをよく観察し、信頼関係を築くこと。そのうえで、どのような手段で不安を取り除けるかを、患者さんの立場に立って考えることが大切です。

なるほど!確かに背中を撫でられながら励まされると元気が出るかも。
タッチングはこれまで自然にやっていたけど、不安や苦痛が少しでも和らぐなら意識してやってみます。
そのためには、患者さんに信頼してもらえるような看護を心掛けるのも大切ですね!

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