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インシデントやアクシデントには、人為的要因によるものと環境的要因によるものと2種類あります。

人為的要因によるものとは「するべきことをしなかった」もしくは「してはいけないことをした」というときに起こるものをいい、一方の環境的要因によるものとは「するべきことをした」そして「してはいけないことをしなかった」にもかかわらず発生したもののことをいうのです。

たとえば、人為的要因のインシデントやアクシデントの原因には、新人スタッフによる知識不足や新人スタッフやベテランスタッフにかかわらず起こる不注意などが挙げられます。一方、環境的要因の原因には、マニュアルや制度上の問題、また労働環境などが考えられます。

インシデントやアクシデントが発生した際は、まずそれが人為的なものなのか環境的なものなのかを判断し、予防につなげることが大切だといえますね。

ルーティンワークによる不注意をなくす
インシデントやアクシデントは、病状急変などの「緊急事態」よりも日常的におこなっている業務で起こりやすいといえます。配薬や点滴管理などのルーティン化された業務はどうしても流れ作業になってしまい、あまり意識せずに行動してしまっている可能性があります。自分がミスをしたにもかかわらず自覚がない場合は、集中力の欠如など「慣れ」から業務を意識的におこなえていないことが要因のひとつでしょう。このようなルーティンからくる不注意をなくすためには、新人に指導をするつもりで自分の行動をひとつひとつ言語化していくといいかもしれませんね。

業務を中断する際にはメモを残す
看護師はナースコールや病状急変の対応など、突発的に仕事が入ることが度々あり、業務を中断しなければならない場面が多いです。そういった場面では、どうしても中断していた作業を忘れてしまうなど、ミスが起こりやすくなります。そのため、忘れないようにする工夫が必要です。自分が日頃携帯しているノートにやることリストを作ったり、目立つところにメモを書いた付箋を貼ったりと、いろいろ工夫してみましょう。

過去に起こったインシデントやアクシデントを確認する
職場には過去に発生したインシデントやアクシデントの事例が記録されているレポートがあるかと思います。このようなレポートには定期的に目を通し、自分が同じミスを起こさないように予防できるといいですね。

インシデントやアクシデントが発生した場合は、必要に応じて応援を呼び、患者さんの応急処置をおこないます。他の患者さんに影響が出ないように迅速な対処を心がけてください。

初期対応をおこなった後は、なるべく早い段階で患者さんやご家族へ、インシデントやアクシデントが発生した事実とおこなった処置などについて説明をします。

また、このような事態が起こった場合には、必ず上司や病院幹部への報告を徹底するようにしましょう。そして、インシデントやアクシデントが起こった原因を分析し、再発の防止に努めます。